2009年1月アーカイブ

短歌雑誌「にしき江」の12月号に掲載された短歌です。

【海の闇】

夜なよなを綱を引きあふ月と海今宵は月が海に落ちたり

瞼なき魚の見つめる海の闇 瞑りてつくる闇より深く

夕暮れに海を眺むる叔父はなく岡に上がりし船のみ残る

鳩羽色は闇から抜け出す海の色朱色に染まる前のひと時

沈み瀬に沿わせて網を仕掛けおり黄色に染まる翁と艪とが



海を題材に詠んだ歌です。
田舎は小さな漁村で海は身近でした。
そんな海の風景、海の思ひ出です。
私は1首目が好きです。
静かな夜の海に月が映っている風景・・・和む風景です。
11月の南日歌壇(南日本新聞)の掲載されました。

人丈の芒のなかにて同化する僕をさがしに秋風の来る

(評)芒に紛れてしまいたいと思っているのだろうか。
秋風が邪魔をする。表現が大胆でおもしろい。
「鰓もたぬ僕は甚だ不器用で魚になれずに一日あぎとう」もいっそう大胆でおもしろかったが、結句が余分。

南日歌壇で永田和宏先生に評をいただきました。
嬉しいです。

私は普通、自分のことを「僕」とは呼びません。
「私」です、歌では「吾」や「我」が多いですね。
「僕」は大人の言葉ではないような気がするものですから。
でも、今回は「僕」に直して投稿しました。
まぁ、選者にあわせたつもりだったけど、読み直してみたら「僕」の方が雰囲気が出ているような気もします。

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