ユーザー (#1)2008年3月アーカイブ

短歌雑誌「にしき江」の2月号に掲載された短歌です。

【一本のタクト】
数多なる鼓動を止める一本のタクトを彼は静かにあぐる

コトラバス、トランペットにトロンボーンさぁ今タクトが動き始める

秋晴れの青ひと色の味気なき息吹きかけて窓を曇らす

粛々と二列にならびて行儀よく時の雫を醸すかめ壷

神無月は貧乏神も死神も出雲に行きて留守であらうか

演奏会に行ったときの歌を頭にしました。
タクトひとつで沢山の楽器が一つになって奏でるのは素晴らしいですね。

評をいただきました。
神無月は貧乏神も死神も出雲に行きて留守であらうか

「ユニークな歌。面白い歌。思わずニヤリと笑ってしまいました。
神無月のことをよく、このような解釈で神々の不在を唱えるものですが、このように詠み上げられると一種のユーモアと世俗のあわれが表裏一体となり、何か味わい深いものになります。
貧乏神、死神など、最近ではあまり耳にしない言葉も郷愁もあり、懐かしい笑いを誘ってくれます。」

ありがとうございます。

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