2007年12月30日

にしき江 12月号掲載

短歌雑誌「にしき江」の12月号に掲載された短歌です。

【蟻の長旅】
畳の目歩ける蟻よ長旅の君の道のり吾が三歩半

つみ雲の上にすぢ雲そそとあり秋は上からやって来るらし

これ妻のこれは娘のケータイかわれのみ鳴らず今日は一人だ

すべからくたった一つのはじめからドミノ倒しは倒れはじむる

未処理箱妻の小言に似ておりぬありて煩くなくて寂しく

私は1首目の蟻の長旅がお気に入りです。
蟻のチョコチョコと歩いているのを眺めていると面白いですね。
なんだか天上人にでもなったように・・・、時には障害物などを置いてみたりして。
蟻には迷惑なことでしょうが。

特選にはもれましたが、十首抄に選んでもらいました。

すべからくたった一つのはじめからドミノ倒しは倒れはじむる

《共感のある歌。政治の世界に次々に起こる不祥事もその通り。言い得ていて面白い。》

評もつけていただきました。
《「知的な視線で対象を切りとった作品。まさしくドミノ倒しの危うさとおかしさをとらえています。<すべからく>という古風なことばが、何か威厳をもって君臨する一首。「アホらしい、わかっているかがネ」と思いながらも改めて読んではそうなんだ・・・と感嘆させられてしまう、不思議な雰囲気がありました。》

そうですね、「アホらしい、わかっているかがネ」という感じの歌ですね。
当たり前のことに驚いてみせるのは良いかもしれませんね。
みんな、つられて驚いてしまうのかも。

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