霧島の麓にて

霧島の麓から田舎暮らしの日々をつづります・・・山登り、短歌、そしてパソコンな日々

登山日誌

矢岳 見返草の花群れを愛でに(H19/10)

更新日:

ミカエリソウ見返草、あまりの美しさに振り返ると名づけられた花。
その見返草を愛でに矢岳に登ってきました。
秋の山は沢山の花々が出迎えてくれます。
賑やかな赤系の花が多い春の山と違い、青い清楚な感じの花が多いのが秋の山でしょうか。
そんな秋山を彩る花に見返草があります。

昨年は見ることが出来なかった見返草です。
今年は是非とも群生を見たい。

何かと用事のある休日でしたが、大急ぎで片付けます。
時計を見ながら・・・大丈夫だろうかと思いつつ。
なんとか昼前に目処がついたので、同じ思いのパートナーに電話をしてみます。
「ちょっと遅くなりましたが・・・」
「では12時にいつものところで」

なんと昼からの登山となりました。
まぁ、3時間ほどの山ですから何とかなるでしょう。
皇子原の登山口についたのは1時でした。

いつも車のない駐車場は満車です。
鹿児島、宮崎、熊本の車もあります。
皆さん、良い花と良い頃合を良くご存知です。

何時ものように谷を超え、急な坂を登っていくと、所々に紫の花が見え始めます。
誰かが「試験管洗いのブラシ」といった房状の花です。
青紫蘇のような丸い葉っぱから一筋の茎がのびて、紫の小さい花が茎をまあるく取り囲んで並びます。
どちらかと言えば地味な花です。

急登がおわり緩やかになり始めた頃、目の前の風景が一変します。
頭上高く覆っていた雑木がなくなり、代わりに見返草が山肌を覆い始めます。
一面が紫の花園となっていきます。

頂上へ着き、そのまま北の方、夷守台方面に向かいます。
たどりついた丘は、見返草が一面を覆い尽くした丘でした。
素晴らしい。

花園に腰を下ろしてお茶とおしゃべり。
その一面に咲いた見返草は蜂や蝶の仕事場でした。
一心不乱に蜜をすっている蜂たちは、私達のことなど気づかぬように、あっち飛び、こっと飛びしながら慌しそうです。
お互いに干渉することもなく、花園での時間は過ぎて行きます。

いつの間にか霧がでてきて花園をソフトフォーカスの額縁にはめこんでいきます。
そろそろ帰る潮時のようです。
名残を惜しみながら、まだまだ早すぎる来年の見返草を想いながら見返草の丘を後にします。

そのまま、何時ものように竜王山の方に向かい、コルから下って裾野を皇子原の駐車場へ向かいます。
途中、真っ赤なきのこやヤマボウシの赤い実を眺めながら歩きます。
いつの間にか5時近くなっています。
最近、夕焼けがせっかちです。
そして森の中はちょっと暗い。
突然、蝉が・・・、たぶん彼らの鳴くのを聞くのは最後でしょう。
蝉は行く夏を惜しみ、私達はそんな彼らを惜しみつつ森を進みます。
薄暗くなって来た山道を急ぎます。

下り終わったら、もう1つの楽しみ、彼岸花を愛でます。
こちらも群生。
緑濃い杉のしたに、その杉を焦がすかのような真っ赤な花が根元を埋め尽くしています。ここの彼岸花も毎年、素晴らしい光景をみせてくれます。

二つの花群れに心を残しながら今日の山行はおわります。
ちょっと慌しい山行でしたが、心安らぐ山行でもありました。
また、来年も。

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