大浪池は池という名がついていますが立派な山です。常時水がある火口湖としては日本で一番高い処にあります。霧島連山の中では比較的登りやすい山で人気があります。
韓国岳からみる大浪池が好きです。眼下に満々と水を湛える大浪池が見えます。
大浪池は火口湖です。湖の周りを火口壁が取り囲んでいて火口湖まで降りるのは容易な事ではありません。
火口湖におりると龍神様の祠がありました。静かな火口湖の水面を見守るかのように畔の石の上に安置してありました。
大浪池には龍の神話があります。
有名なものは「お浪」の伝説です。
子供のいない裕福な夫婦が神に祈ったところ女子を授かり「お浪」と名付けます。大きくなった娘は、なぜか縁談を断り続け、ある日、この池に飛び込んでしまいます。この娘は実は龍神の化身だったというものです。
こんな話もあります。
祁答院町にある伊牟田池には仲の良い夫婦の龍がいたのですが、やがて男龍が大浪池の女龍と暮らすようになります。残された伊牟田池の女龍は男龍をおって大浪池に向かって地下を掘り進みますが、誤って途中の住吉池に出てしまったというのです。
それにしても男というのは人間も龍も浅はかな存在のようです。
大浪池も伊牟田池、住吉池も行ったことがありますが、いずれも龍がいてもおかしくないような佇まいと雄大さをもっています。
大浪池に行ったら、そのような龍伝説を想いながら湖面をのぞき込んでみると良いと思います。その湖畔に佇む小さな龍神様の祠を思い起こしながら。