稲刈りの合間をぬって短歌の吟行です。
今回は所属している歌会で年に1回の吟行です。俳句では毎月、吟行にいきますが、短歌はあまり吟行にいきません。
吟行に行ったのは霧島にある旅行人山荘です。なかなか趣のある旅館でした。
旅行人山荘の玄関前には散策路があり、その散策路を進んで行くと滝があります。滝まで往復30分位でしょうか。吟行の題材探しにはちょどよい感じです。
先生から詠題が出されました。それぞれ秋と霧島を折りこんで2首作りなさいという詠題です。そもそも即詠が苦手なのに、詠題まで出されるとはハードルが高いです。

旅行人山荘 センブリ
南国の地でも標高の高い霧島には秋の気配が訪れいました。しかし、紅葉にはまだ早いようです。落ち葉を踏みながら山道を散策すると色々な花にであえました。
道端に控え目に咲いていたのはセンブリです。あの「良薬口に苦し」の代表的薬草のセンブリです。味は強烈に苦いのですが、花は小さい白い花で可憐です。
名も知らぬ赤き実ひとつほほばりぬ霧島の秋だんだんと赤(谺)
がまずみの実が赤くなっていました。一粒とって口に入れてみると酸っぱさを感じます。熟してくると甘味がましてきますが、小さい実で果肉はほとんどない実です。以前、がまずみで果実酒を作ったことがありますが、赤い色で綺麗でしたよ。ジャムを作る人もいるようです。
幾人も踏みしめ行きたる杉の根に躓きつつも花房の滝(谺)
花房の滝は前日に雨が降ったせいか水量が多く勇壮でした。以前に行ったときは滝壺近くまで降りて行ったのですが、今回は吟行です。短歌を作るのが目的なので、山歩きは少し控え目です。
1時間ほどの散策のあと食事をしながら歌会です。皆さん、山の散策で良い題材を拾っていたようです。素晴らしい短歌が出来ていました。
私は即詠が苦手です。なんとかかんとか2首作って提出しました。
吟行の日がちょうど誕生日だったので歌友に祝ってもらいました。食事も美味しくて楽しい一日でした。